上虞県滞在記 ぱーとワン!
4月6日(月) 小雨
箱崎でチェックインをすませ両手に機内持ちこみの中国への荷物を山のように持った男が1人、
成田空港に。いよいよ上海行き中国東方航空の飛行機登場口へ。「行きたくないよ〜ん」という
私の気持ちとは関係無く「こんにわ〜」という営業スマイルの中国人空姐に出迎えられ機内へと。
回りの乗客、空姐はみな中国人で、はるか前方に日本人ビジネスマンらしき人物がぽつりといる。
離陸後空姐が飲み物を運んできたので「おーれいんじじゅうす」と英語っぽく頼んだのですが
テーブルの上にドン!と置かれたのはなぜかホットコーヒー。どんなに発音が悪くてもオレンジ
ジュースとコーヒーは間違えようが無いと思うけどね。その後機内食を運んで来た時もテーブルの
上にドン!と置かれ(正確に言うと低い位置から落とされたというのが正しい)「なにすんねん」
と思い空姐の方を見ると「何か用?」ってな顔してまして...サービスの悪さったら。しかも
品の無い香水をつけてましてそこらじゅう臭い臭い。つい数年前からこの中国東方航空は日本人
スッチーも採用してますがサービスは良くなったのでしょうか?約3時間後上海の虹橋空港に
到着しました。
到着後入国審査の窓口へ。なにせ中国語がマッタクできないのでものすごく緊張しました。
「何か聞かれたらどうしよう」「おまえは入国できない」という事になったりしないか...
などと考えて心臓がバクバクしてました。とりあえず何事も無く入国のスタンプを押してもらい
一安心。次は機内に預けた荷物を取りに。荷物の出てくる所では次々にベルトコンベアーに載っ
た荷物が流れてきておりました。コンベアーのカーブしてる所で荷物が引っ掛かってしまい荷物
が次から次へとコンベアーから落ちてしまいました。裏から係りのおじさんが出てきてコンベア
ーの上に置くのでは無く放り投げて戻していく。更にコンベアーのカーブしている所で荷物が
落ちないように足で蹴っ飛ばしている...「はぁ〜っ」というため息しか出ませんでした。
とりあえず蹴っ飛ばされる前に荷物の出口で荷物を取ってカートに載せようと出口へ向かおうと
するとおばちゃんが「○○円」(いくらだったかな〜)と手を出すじゃないですか。このころ
中国ではカート有料だったんです。しつこく「○○円」「○○円」と、壊れたレコードプレーヤ
ーのよう。も〜なんちゅう国や!機内からず〜っとイライラしてたので荷物をカートから降ろし
「アッカンベー(死語ですか?)」をしてカートは使わずお金は払いませんでした。そのまま
両手に大荷物を抱えながら出口へと。出口には「laishan先生」と書かれた紙を持って
出迎えに来てくれてました。ここで一安心。出迎えに来てくれたのは運転手の李さん(男性)と
通訳?の傅さん(女性)でした。いきなり傅さんに「イラッシャイマセ」などと言われ私はどこ
にきたのか?と思いました。
表に出て車に(例のヤツです。プロローグ参照)乗り込みいざ出発!前回は杭州から上虞へと
行ったので「上海の街はどんなんだろう」という思いがあったんですが、車は市内を通らず杭州
へ行く幹線道路へ。時間はすでに5時をまわっておりあたりは暗くなってました。幹線道路とは
いえ道路沿いの街灯はほとんど無く真っ暗。そんでもってどの車もヘッドライトを着けないんで
す。反対車線から車が来たらなぜかパッシング。ハテ?「なんでライト着けないの?」って聞い
たら「車の電球が消耗するから」って。ホント?今回は道路も空いていて「サイレン」も鳴らさ
ずに済みそうです。
一行は途中杭州近くの食堂で晩御飯。お店は怪しい電飾がキラキラついていて(クリスマスの飾
りみたい)、以前来た時に見たあの怪しい食堂では...と思ったんですが、今日は傳小姐も居
る事だしそんなお店に来るわけないよね〜李さん。食事を簡単に済ませ私の宿となる上虞賓館に
ついたのは夜の11時半になってました。李さんお疲れ様でした。いちおうチェックインみたい
なものがありまして、名前やパスポートNOなどを記入してお部屋へ。部屋は1ヶ月前に来た時
と同じ「113」。すでにお風呂のお湯が出ないので有無も言わせず就寝という事に。明日から...
「はぁ〜」というタメイキと共に深い眠りにつくのでした。
4月7日(火) 曇
朝8時に公司の王さん、李運転手さん、傳小姐がお出迎えに来てくれました。公司に着くとそこ
にはつい1ヶ月前に会った面々がおりまして、「また来たぜ!がっはっはっ!」となかばやけっ
ぱちの私。ここで簡単に現地主要従業員の楽しい面々をご紹介しておきましょう。
王 総経理・・・総経理というのは日本でいう社長さんになります。おっとり型。
沈 助経理・・・まあ副社長です。いつもニコニコ、ハスキーボイス。
許 助経理・・・同上。おつむのテッペンがチト寂しいおじさん。面倒見が良い。
韓 会計・・・・経理担当。大変おとなしくお話しした記憶がほとんど無い。もの静か。
傳 小姐・・・・通訳・翻訳と輸出手続担当。独学で日本語を勉強した努力家。おっちょこ
ちょい。
陳 小姐・・・・事務全般。すぐに人の真似をする。かわいい。彼氏有り。
丁 工場長・・・石材加工工場の工場長。おとなしい。何を言っても「うんうん」うなずくだけ。
任 科長・・・・石材加工工場の現場責任者。まじめで責任感が強い。
工場から任さんがやってきて、今後の予定などの打ち合わせをして午前中は終了。お昼ご飯は
公司と同じ建物に入っている外貿公司の食堂?で食事。食堂のおばさんが明るい。味もまあまあ。
午後は日本に輸出する石の原石について打ち合わせ等。午後5時お仕事終了。これから上虞賓館
に戻り、私の歓迎會?をやってもらう事に。参加者は、王総経理、沈助経理、丁工場長、任科長、
傳小姐、私の6人。早速「好き嫌い大王」の名を持つ私にとって地獄のような時間が...ただ
前回のようにお偉いさんも居ないのでそれほど高い料理が出てこなかったせいか割と、ワリト
ね!食べられました。しかし逆にお偉いさんが居ないのでみんな悪ノリ。紹興酒はガラスの
コップで干杯。なぜか普段おとなしい丁工場長までここぞとばかりに干杯。そしてなにより
ビックラしたのが傳小姐。強い強い。聞けば上虞お隣の紹興出身で小さい時から紹興酒を飲んで
たそうです。それにしてもすきっ腹で飲んだせいでこちらも少々フラフラに。食事も終わり
PM8:30ごろ早々に寝てしまいました。あ、風呂...忘れた。
4月8日(水) 曇のち晴
昨日と同じ朝8時、李さんと傳小姐二人がお出迎え。2日目ともなると社長さんは来ないのね...
公司に寄ってから工場に向かいました。早速製品のチエック!おもむろに取り出したるシロモノ、
こいつの名前は「輝度計」。こいつは花崗岩を機械で磨いた後にどのくらいの光度があるかを
計る物。石の表面にこいつを置くと数字が出る。「75」。ガーン!目標は「100」なのに。
山積みされた製品を次から次へと計っていくがどれも「70台」。売り物にならん。そんな私の
心とは裏腹にこの「輝度計」を「貸せ貸せ」という回りの野次馬達。「あのね〜君達遊んでじゃ
ないのよ私は」あんまりうるさいんで貸したら「お〜」とか「わ〜」とか歓声が。そのうち
「輝度計」の取り合いになってしまい、「壊されたらたまらん」という事で「めっ!お預け」。
そしてお昼ご飯の時間に。今日のお昼は工場の食堂で食べる事に。前に来たとき見たんだけど、
薄暗くて土間で寒くて埃っぽくて、できれば食べたくない心境でしたが、「どうせもうしばらく
居るんだし(この段階でもまさか2ヶ月も居ることになるとは思って無かった)腹くくって食べ
よう」と。お味はなかなかでした。工場の食堂のシステムを簡単にご説明しますと、主食のご飯
は各自家から日本では懐かしいアルマイト(でしたっけ)に入れて食堂でみなまとめて炊いても
らう。おかずは日によって変わり、食堂の黒板に「○○菜 ○元」などと書かれており、おのお
の好きなおかずを注文する。だいたい野菜と肉の2種類しかなかったな。値段は野菜類が5角〜
1元、肉類が1元〜2元くらい。(当時のレートは1元=¥14くらい)私はというと皆さんと
違い、ご飯は炒飯、おかずも3品くらいあってお客さん扱いでした。午後は事務所に戻り打ち合
わせ。打ち合わせと言っても、こちらは中国語がまったくダメ。王総経理も日本語がまったく
ダメ。という事で傳小姐大活躍。なんですがこちらの質問とあちらの回答がちんぷんかんぷん。
こりゃあかん。ちゅうことでこの日から私と中国語の格闘が始まるのでした。晩御飯は上虞賓館
へ帰り傳小姐と一緒に。部屋に帰り今日は忘れずお風呂に入らねばと、蛇口をひねれば「ん?」
「お水の色が...赤い」待てど暮らせどお水の色は変わらず。匂いを嗅ぐと「錆臭い」。仕方
なくあきらめてお風呂に入り就寝。
4月9日(木) 雨
今日も傳小姐と李運転手がお迎えに来てくれまして事務所へ。事務所で仕事をしていると窓の
下で大声が聞こえたので覗いてみると、おっさん同士の口喧嘩。2,3人が見物してたと思った
ら、あれよあれよと野次馬達が集まってその数30人前後。当人達より回りの野次馬達のがエキ
サイトしてきて、「おまえの方が悪い」とか「関係無いヤツはひっこんでろ」などと遣り合って
ました。「おれは悪くない。誰かなんとか言ってくれ〜」と当人。中国語わかんなかったんで、
たぶんね。普通話わかっててもどうせ方言だし。こんな事を1時間以上もやってました。恐るべ
し中国人民パワー!仕事が終わった後、傳小姐と陳小姐に映画に誘われました。「へ〜上虞にも
映画館あるんだ」「その映画は英語の字幕も出るからlaishan先生も大丈夫ですよ」って...
私英語もダメなの。とりあず映画館に。映画館では傳小姐のお友達で、学校で英語を教えている
という可小姐が待ってまして、傳小姐「どうぞ、英語で話してください」って...だ〜か〜ら
〜!映画は2本立て。1本目は字幕無しの主人公が不治の病で死んでしまうという「お涙ちょ〜
だい」物。字幕無し、全編中国語で何言ってるか分からなかったけど、内容は把握できました。
2本目は中国人大好き「カンフー」物。しかも成龍(ジャッキー・チェン)の映画みたいに時折ギャグ?
を織り交ぜ、観客オオウケ!私はあまりおもしろくなかったけど。傳小姐達もゲラゲラ笑ってた
し。こちらの人達はやはり「笑い」に飢えてるんですね〜。3時間以上も見てたのでオケツが
痛くなりやした。電気がついた映画館の床一面に、みかんの皮やら、西瓜の種やら、鼻紙やらが
散乱していて唖然。なんか習慣の違いとはいえ日本人としては考えられない光景でした。
4月10日(金) 曇り
今日はお迎えが来ないので事務所に催促の電話をしたら、ニヤニヤ運転手が迎えに来てくれまし
た(未だ名前が思い出せない)。事務所につきお仕事お仕事。ふと回りに目をやると、みなさん
の机の上にインスタント・コーヒーの空き瓶があるのに気づきまして、傳小姐に尋ねると「皆様
あれでお茶をのむんです」という事なので、「お〜それなら私にもあの空き瓶を下さい」。中国
の地方に行かれた方なら見たことがあるでしょう。インスタント・コーヒーの空き瓶にお茶っ葉
を入れて直接お湯を注ぎ、「ふーふー」してお茶っ葉を底に沈めて飲む。そんでもって蓋して
持ち歩く。行く先々でお湯を入れてくれるんで「お〜便利、便利」こうして私の2カ月間お供に
なりました。仕事が終わり帰る準備をしていると、王さんが来て「今日から通勤は自転車でお願
いします」と言われ1台の自転車を授かる事に。すでにお客さん扱いに終わりが来たかと思う
laishanであった。早速街中を自転車で走る。これはこれで結構楽しかったりするわけで、街中
のお店などを見て回りながら上虞賓館へ帰りました。夜12:00ごろ上虞賓館の廊下で「ギャ
ーギャー」騒いでいるおっさんがいた。人の迷惑を考えてくれ〜。
4月11日(土) 曇り
今日の朝から自転車で出勤です。事務所まではのんびり走って10分くらい。朝から王総経理と
沈助経理がなにやら大声で会議?すんごい迫力。私は工場へ行き石材研磨の指導。任科長と試行
錯誤。今日は傳小姐が居ないので中国語の辞書片手に筆談&ジェスチャー(あ〜金五郎師匠がい
れば)などで悪戦苦闘。その結果以前は輝度平均「75」位だったのが「95」まで上がり、な
んとか目標の「100」まであと少しとなり、機械的には問題が無い事が証明されたわけで2人
とも一安心。このころから私、中学?でやめたタバコを吸うようになりまして、二人で一服。
なぜにタバコを吸うようになったかというと、中国ではまず会議や商談、初対面の男性にタバコ
を勧める習慣がありまして(最近は少なくなっているようです)、最初は「我不吸煙」と断って
たんですけど、会う人会う人タバコを勧めてくるので断るのがめんどくさくなったのと、言葉が
できないので何かコミニュケーションを取らないといけないと思ったので。事務所に戻ると今日
は同じ建物に入っている「上虞県対外貿易公司」(以下外貿公司)の招待で宴会があるとの事。
この外貿公司」は以前上虞に来た時(ぷろろ〜ぐ参照)お世話になった張局長のいる公司です。
そこで外貿公司の面々を簡単にご紹介。
張局長・・・外貿公司の責任者。楽しいおじさん。私の中国の父。バリバリ共産党員。
陸先生・・・輸出担当(筍、梅など)。同い年の男性。よくBROKEN ENGLISHで話しかけてくる。
朱先生・・・通訳・翻訳係。日本語は傳小姐よりうまくない。若いが髪の毛が...髪型は軍事
評論家の江畑氏に似てます(わかるかな〜)
まずは簡単なご挨拶。張局長は国内出張から今日帰ってきたばかりだそうな。私への挨拶が遅れ
てすみませんという事。「お〜社交事例でもうれしいぞ!」私は覚えたての中国語で「我們工作
順利!干杯!」と言うとなんとか通じて「お〜」という歓声。こうして図にのった私は日々一つ
一つ中国語を覚えていくのでした。そしていつものように、紹興酒で「干杯!」そして今日は
若い陸やら、朱やら(先生省略!)が調子にのってコップに紹興酒を入れてガンガン飲ませるもん
で、こちとら江戸っ子でい!中国人にまけてられっか!ってな具合にじゃんじゃん飲ませてやっ
たら程よく静かになりました。がっはっは!日本男児をなめちゃいけないよ!陸、朱ともに上虞
賓館のすぐ側にある外貿公司の寮に住んでいるとの話。聞けば傳小姐も。ってなわけで酔っ払い
3人組+1人は仲良く一緒に帰りました。明日は、沈さんと傳小姐がどこか遊びに連れて行って
くれるそうな...
4月12日(日) 晴
朝9:00ごろ傳小姐から電話があって午後からどこかに連れて行ってくれるとの事。沈さんは
仕事で工場に行ってるそうです。ご苦労さん。お昼まで時間があるので上虞賓館の周りを散歩。
川沿いを歩いていると釣りをしてるおじいちゃん(釣れてる様子無し)、川で野菜を洗うおばさ
ん(ちなみにこの川の水は汚いので、魚料理は危ないのである)等に遭遇。明らかに現地の人で
は無い人間をみる眼差し。「きゃ〜恥ずかしい」たまに、「○×△□」と話しかけられることも
しばしば。んが何がなんだかわからないので笑うだけ。こちらはなんか久しぶりに「のほほ〜ん」
とした時間を過ごしました。午後傳小姐と李運転手が迎えに来てくれまして、いざ出発。これか
ら行く場所は車で20分くらいの所にある「仙人堂」というお寺?「仙人堂」がある小高い山の
下にあるレンガ工場の敷地に勝手に車を止め山登り。ここは観光地?道はでこぼこ、道の脇には
冬眠から覚めたヘビがうじゃうじゃ。「仙人堂」について傳小姐から説明されたんだけど、ちん
ぷんかんぷんで覚えてないっす。傳小姐はバナナやらお菓子やら中国産ミネラル・ウォーター(こ
れがめっちゃまずい)などを持参ですっかりハイキング気分。3人でお話するんですが、李運転
手は40歳ちょい過ぎ、我らは25歳前後なんで話も合わない。そりゃそうだ。私「今日は2人
ともお休みなのに謝謝ね〜。ところで傳小姐いつも休みの日は何してんの?」傳「私は友人など
とヨモヤマバナシなどをしています」って、あんた日本人だって今時「四方山話」なんて使わな
いよ。李運転手はしきりに私の月給を知りたがっていたので「¥20万位かな〜」っていったら
しこたまビックリしたみたいで「それじゃあlaishanは大金持ちなんだ」てな具合。日本では
お昼ご飯が¥800くらいとか、1ヶ月の家賃が¥80,000くらいとかいろいろ説明したん
だけどあまりピンとこないらしい。それもそうだな。傳小姐は日本語勉強してたらチャンスある
かもだけど、李運転手は日本にくるチャンスないもんな〜。かわいそうだけど...こうして日
も暮れ我々は上虞賓館へ帰るのでありんす。今日の晩御飯は部屋で日本から持ってきた虎の子の
カップラーメンを食べました...「うまい!うまい!うま〜い!」もう「うまい」の3連発!
こんなにカップラーメンが美味いとはシラナンダ。いままで自分の中でおやつの位置にいた
カップラーメンをメインディシュに格上げしたのは言うまでも無い。明日は江西省に出張なので
準備して就寝。