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東京人権連 > 話題と出来事 > 講談社『FRYDAY』編集部への抗議声明 > 回答書

     

講談社『FRIDAY』編集部からの回答書

    

   

ご 回 答

平成16年6月23日  

  

  全国地域人権運動総連合
    議長       石岡克美  殿

  東京人権と生活運動連合会
    執行委員長   山本金義 殿

         

講談社フライデー編集部 

    

             

 時下、ますますご健勝のことと存じます。

 本誌7月2日号の〈『ドン・キホーテ』が作った「不採用高校」リスト〉特集記事への抗議文をいただきました。 この件につき、本誌がなぜリストの現物そのものを敢えて掲載したのかをご説明いたします。 

 まず、記事のタイトルをもう一度見直していただきたいと思います。 『告発 偏差値45以下は“落”に厚労省も激怒!・・・・・・』。 記事の作り手の思いはタイトルに表れるものです。 リストを見て、厚労省同様に私ども編集部も怒りを禁じ得ませんでした。 記事でいう「不採用高校」リストは『ドン・キホーテ』によって作成されたものですが、偏差値というごく一面的な指標だけをもって就職という場で学校やその生徒を区別することが許されて良いはずがありません。 編集部としては、そんな当たり前のことを考慮することなくリストを作成し悪用しようとした『ドン・キホーテ』の姿勢を批判し、重大な問題として広く社会で論議されるべきだと判断し、記事を掲載いたしました。 記事の眼目が人権を尊重し、就職差別を解消する意図であることはいうまでもなく、その点で皆様と同じ立場であると確信しております。

 なぜ、リストをそのまま公表したのか。 学校の実名を出さなくても問題は指摘できるではないか。 編集部に対しての、このような疑問については理解できます。 しかし、はたしてそうでしょうか。 実名を出さないで、本当に問題を正しく指摘し、実感させることが可能だったでしょうか。 編集部としては、「ドン・キホーテ」が作成したリストをそのまま公表することによって初めて問題点が十全に理解されると判断しました。 なぜなら、偏差値そのものは「入学難易度」などとして教育産業等で広く喧伝され、また一般に膾炙(*注)された存在であり、偏差値の数字が並んでいるだけではこれが特別なリストであることを感じることはできません。 『ドン・キホーテ』のリストが異常なのは、この数字に彼らでしか理解しえない何らかの基準によって実在の学校名を当てはめたことです。 『ドン・キホーテ』が偏差値と学校とを、悪意をもって関連づけしたことでリストは成立したのであり、問題点も生じたのです。

 私どもは一般的に「入学難易度」の指標とされる偏差値によって学校の価値がランクづけられるなどとは考えておりません。 また、生徒個々人の人格が偏差値のみで評価できるはずもありません。 偏差値が企業における不正防止の指標となるなどと、いったい誰が思いつくのでしょうか。 そもそも『ドン・キホーテ』のリストは、一般に流布されている「入学難易度ランキング」などに準じたものなのかどうかさえ不明であり、そのことからもこのリストのいかがわしさが感じられるものです。 しかも、その表に「要注意高校リスト」なる題を冠しているのです。 かほど『ドン・キホーテ』のリストの内容は世間一般の良識とはかけ離れたものです。 このような悪質なリストが存在することは報道に値すると考えました。

 以上のことから、私ども編集部は問題告発のためにリストを掲載することが不可欠であると判断いたしました。 この点をご理解いただきますようお願い申し上げます。 私ども編集部は報道に携わる者として、個人の名誉や人権は最大限尊重されるものとして理解し、記事作成においては充分に配慮しなければならないと心がけております。 しかしながら、今回の記事で誤解を招いたとすれば極めて遺憾に存じます。 皆様のご指摘は今後の記事作りに活かしていく所存ですので、重ねてご理解いただきますようお願い申し上げます。

 なお、6月25日発売の本誌7月9日号では、『ドン・キホーテ』に対する連続追及の特集記事とともに、今回の事態についての私ども編集部の見解を掲載しておりますので、ご参照いただければ幸いです。

   

    

*注  膾炙=かいしゃ。 「(なますとあぶり肉とが万人に好まれるように)広く世人に好まれ、話題に上って知れ渡ること」 <『広辞苑』第4版より。 注釈は東京人権連>

     

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